先日の楽天モバイルの段階制で1GBまでは料金無料というスマホプランもかなりインパクトがあったがまた楽天からインパクトのあるプレスリリースがされた。
内容は日本郵政、ウォルマート、テンセント、と三木谷さん(親族運営の資産管理会社)からの出資により2400億円超の資金調達と、そして日本郵政と資本・教務提携をニュースリリースで発表した。生粋の通信事業者と違う発想から楽天モバイルの契約者増と楽天Gの事業規模拡大が現実的になるかも。
気になったのでまとめてみた。
第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分に関するお知らせまとめ
以下プレスリリースからまとめていきます。
出資各社の出資額はいくらか
第三者割当の方法で以下法人に株式を割り当てました。因みに1株1145円なのでそれをもとに金額換算してみました。
■日本郵政株式会社
割当数:131,004,000株(1499億9958万円)
今回の割当で一番多く出資していることになります。この割当で持ち株比率は8.32%で保有率4番目の株主になります。
■Image Frame Investment (HK) Limited
割当数:57,382,900株(657億342万500円)
この企業は中国の巨大IT企業テンセント子会社。テンセントはKDDIやバンダイナムコ、集英社、ガンホー、カプコン、任天堂、セガゲームス、スクウェアエニックス、DeNA等々有名日本企業とも提携している。この割当で持ち株比率は3.65%で保有率6番目の株主になります。
■Walmart Inc.
割当数:14,536,000株(166億4372万円)
世界最大のスーパーマーケットを展開する企業で直近ではウォルマートが売却した子会社の西友株を取得する関係
■有限会社三木谷興産
割当数:4,366,800株(49億9998万6000円)
三木谷さんの親族が運営する資産管理会社だそう。しかし持ってますなぁ。。
■有限会社スピリット
割当数:4,366,800株(49億9998万6000円)
同じく三木谷さん親族の資産管理会社。
楽天は調達した資金で何をするのか
利用用途は単純明快。楽天モバイルの投融資で楽天モバイルは2021年4月から12月までの基地局設備に充てる。
・4Gに係る基地局設備 1840億円
・5Gに係る基地局設備 310億円
・4G 5G共通の設備 250億円
日本郵政グループと楽天グループ、資本・業務提携に合意まとめ
以下のプレスリリースからのまとめです。
業務提携し詳細を協議する範囲
物流、モバイル、DXの分野で提携し協議をしていくとのこと。
■物流
・共同の物流拠点の構築
・共同の配送システム及び受取サービスの構築
・日本郵便及び楽天の両社が保有するデータの共有化
・新会社設立を含む物流DXプラットフォームの共同事業化
・RFC(楽天フルフィルメントセンター)の利用拡大及び日本郵便のゆうパック等の利用拡大に向けた、日本郵便・楽天両社の協力・取り組み
■モバイル
・郵便局内のイベントスペースを活用した楽天モバイルの申込み等カウンターの設置
・日本郵便の配達網を活用したマーケティング施策の実施
■DX
・楽天グループから日本郵政グループに対するDXに精通する人材の派遣
・楽天グループによる日本郵政グループのDX推進への協力
業務提携を目指し検討する範囲
■金融
・キャッシュレスペイメント分野等での協業
・保険分野での協業
■EC
・物販分野での協業
資本業務の提携で起きること
1GBまで無料というプラン体型がその場しのぎの解約阻止策ではなかったというのが今回のリリースで見えたと感じる。楽天というネット専業EC最大手企業と日本郵便のいう日本国民から切り離せないサービスと信頼がある最大手企業の提携は大化けする可能性が高い。
2021年12月までの基地局設置が他キャリアに負けない通信品質になればデータ通信を大量に使う人にも、音声通話だけでデータ通信をほとんど使わない人にもメリットがでる。
契約窓口も今はネット中心でリテラシーがある人の契約が多いはずだが郵便局を使うことができれば一気に契約窓口は広がり他キャリアを超える。さらに他キャリアは商売として店舗展開をしてるので人が集まる商業地域に設置せざるを得ないが郵便局は生活インフラとして開設せざるを得ない事情から過疎地にもあり、メリットがあり、無料で、郵便局で、ということが実現できれば加入者は急増する可能性がある。
そしてコロナ禍でECサイトの利用が増えたとはいえ敬遠する人はまだまだ多い。そこを郵便局という現実設備が活用できることで敷居を下げる。
民営化された日本郵政としてはネットで事業を拡大し続けたノウハウを利用できるしいずれお互いが似たサービスを行っている部分は一本化することで効率も上がる。
色々な事業を展開しているとはいえ通信事業を生業としているSoftBankとKDDIには特に驚異になるのではないか。
日本郵政という由緒ある企業がどこまでDXを推進できるかが鍵だがデメリットは感じられない。
いつか日本郵便が楽天郵便みたいな名前になってしまったらやだなと思うが事業としては非常におもしろい巨大提携だと思う。
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